ゴジラは神なのか
理解を越えた制御不能の力が発動され、生命が大量に無意味で無残な形となって消え去った時、人はそれを「神」の仕業だと思う。否、そう思うしかない。
『赫獣』の「黙示録の騎士たち」という章では、怪物に大切な人を奪われた少年が、ショックで声を出せなくなりながらも、教会で神に祈るくだりがある。
この事態を神が許したのだとするなら、にもかかわらず生きていくということは、神に逆らうことになるのではないか。
これはゴジラの綴りに「GOD」が入り、ゴジラはむしろアメリカで神格化されたことにも通じるかもしれない。
当のアメリカが起こした核攻撃から復興し、いままた原発事故の災厄を抱えながらも、狭い国土の中でそれらを包含し尚も生き延びている日本人。
そんな国の発想力から生まれたゴジラは、決して滅びることのない神なのだ。
怪獣……それは近代文明の飽和状態にある我々に残された、禍々しい破壊のカタルシスであり、最後の希望である。
ゴジラGODZILLA
7月25日公開
公式サイトhttp://www.godzilla-movie.jp/
筆者:切通理作
1964年東京都生まれ。文化批評。編集者を経て1993年『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』で著作デビュー。著書に『お前がセカイを殺したいなら』『情緒論~セカイをそのまま見るということ』『特撮黙示録1995-2002』等がある。『宮崎駿の<世界>』でサントリー学芸賞受賞。今夏に『ゴジラ』のオリジンを生み出した映画監督を論じる『本多猪四郎 無冠の巨匠 MONSTER MASTER(仮)』(洋泉社)を刊行。
切通理作メールマガジン「映画の友よ」
「新しい日本映画を全部見ます」。一週間以上の期間、昼から夜まで公開が予定されている実写の劇映画はすべて見て、批評します。アニメやドキュメンタリー、レイトショーで上映される作品なども「これは」と思ったら見に行きます。キネマ旬報ベストテン、映画秘宝ベストテン、日本映画プロフェッショナル大賞の現役審査員であり、過去には映画芸術ベストテン、毎日コンクールドキュメンタリー部門、大藤信郎賞(アニメ映画)、サンダンス映画祭アジア部門日本選考、東京財団アニメ批評コンテスト等で審査員を務めてきた筆者が、日々追いかける映画について本音で配信。基準のよくわからない星取り表などではなく、その映画が何を求める人に必要とされているかを明快に示します。
「この映画に関わった人と会いたい」「この人と映画の話をしたい!」と思ったら、無鉄砲に出かけていきます。普段から特撮やピンク映画の連載を持ち、趣味としても大好きなので、古今東西の特撮映画の醍醐味をひもとく連載『特撮黙示録1954-2014』や、クールな美女子に会いに行っちゃう『セクシー・ダイナマイト』等の記事も強引に展開させていきます。
【 料金(税込) 】 648円 / 月
【 発行周期 】 月2回配信(第1,3金曜日配信予定)
詳細・ご購読はこちらから
その他の記事
|
片思いの恋愛感情、相手に伝えるべき?(家入一真) |
|
「テレビの空気報道化」「新聞の空気化」とはなにか──ジャーナリスト・竹田圭吾に聞くメディア論(津田大介) |
|
リモートワーク時代のエンタメを考える(本田雅一) |
|
猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第6回:椅子に固定されない「身体の知性」とは何か(宇野常寛) |
|
世界旅行の際にちょっと得する航空券の買い方(高城剛) |
|
世界的な景気減速見込みで訪れる「半世紀の冬」(やまもといちろう) |
|
「幸せの分母」を増やすことで、初めて人は人に優しくなれる(名越康文) |
|
能力がない人ほど「忙しく」なる時代(岩崎夏海) |
|
あるといいよね「リモートプレゼンター」(小寺信良) |
|
Geminiを使い倒した2週間(小寺信良) |
|
「狭霧の彼方に」特別編 その2(甲野善紀) |
|
古都には似つかわしくない最先端の「現代日本語」講座(高城剛) |
|
たまにつかうならこんな「ショートカット」(西田宗千佳) |
|
サイボウズ青野社長の手がける「夫婦別姓裁判」高裁門前払いの必然(やまもといちろう) |
|
東京オリンピックに縁のある体育の日に気候変動のことを考える(高城剛) |











